水泳のクロールで肩が痛い症例
ご相談いただいた症状
・水泳のクロール中に右肩の前側が痛む。
・腕を水中でかく際に肩の前方に痛みが出る。
・泳ぐ距離が長くなると肩の痛みが強くなる。
・練習後も肩の前側に張りや違和感が残る。
・日常生活では強い痛みはないが、腕を大きく回すと違和感がある。
・数日間泳がないと症状が軽くなるが、練習を再開すると再び痛む。
約2か月前から、クロールで泳いでいる際に右肩の前側へ痛みを感じるようになった20代女性の患者様です。
週3回ほど水泳の練習を行っており、泳ぐ距離を増やした頃から肩の違和感が出始めました。
最初は練習後に軽い張りを感じる程度でしたが、次第に泳いでいる途中にも痛みが出るようになり、長い距離を続けて泳ぐことが難しくなっていました。
練習を休むと痛みが軽くなるものの、再開すると症状が戻るため来院されました。
原因
水泳のクロールでは、腕を繰り返し頭上に上げ、水中で水をかく動作を行います。
この動作が繰り返されることで、肩関節周囲の筋肉や腱に負担がかかり、痛みが生じることがあります。
水泳選手にみられる肩の痛みは、一般的に「スイマーズショルダー」と呼ばれることがあります。
今回の患者様は、身体の状態を確認すると、
・右肩を前方から大きく上げる動作で違和感が出る。
・肩の前側から上腕にかけて筋肉の緊張がみられる。
・肩関節の内旋可動域が左側と比べて小さい。
・腕を上げる際に肩甲骨の動きが小さくなる傾向がある。
・肩を外側へ回す筋肉に力を入れると軽い痛みが出る。
といった特徴がありました。
これらの所見から、泳ぐ距離の増加による肩への繰り返しの負担に加え、肩関節の可動域や肩甲骨周囲の運動機能が症状に関係している可能性を考えました。
ただし、クロール中の肩の痛みには腱板の障害や上腕二頭筋長頭腱の炎症などが関係する場合もあるため、スイマーズショルダーと断定せず、必要に応じて整形外科での評価を勧めながら対応しました。
治療内容
今回はクロール中の肩の痛みを軽減し、段階的に水泳の練習を再開できるようにすることを目的に施術を行いました。
手技療法では、肩関節前方や肩甲骨周囲の筋肉に対して、痛みを強く誘発しない範囲でアプローチしました。
また、肩甲骨の動きや肩関節の可動域を確認しながら、腱板や肩甲骨周囲の筋肉を使う運動療法を取り入れました。
練習では痛みが強くなる距離や泳法を一時的に調整し、症状に合わせて泳ぐ量を段階的に増やすようお伝えしました。
1回目
初回は肩関節の動きや肩甲骨周囲の状態を確認し、痛みが出る動作を整理しました。
手技療法後は肩の前側の張りが軽減し、腕を上げる動作が少し行いやすくなりました。
ただし、クロールの動きを繰り返すと肩に違和感が残る状態だったため、練習量を減らし、痛みの少ない範囲で肩周囲の運動を行うよう指導しました。
2回目
約1週間後には、日常生活で腕を動かした際の違和感が少なくなっていました。
短い距離のクロールでは強い痛みが出なくなっていましたが、泳ぐ距離が長くなると肩の前側に張りが出る状態でした。
この段階では肩甲骨周囲の運動と、肩を外側へ回す筋肉のトレーニングを継続しました。
3回目
約3週間後には、以前より長い距離を泳いでも肩の痛みが出にくくなっていました。
クロール中に感じていた肩の前側の引っかかるような違和感も軽減していました。
一方で、練習後半に疲労が強くなると肩の動きが小さくなる傾向があったため、練習量と休憩の取り方について再度確認しました。
4回目
約5週間後には、通常のクロール練習を段階的に再開できるようになっていました。
泳いだ後に軽い張りを感じることはありましたが、翌日まで痛みが続くことは少なくなっていました。
肩甲骨の動きや肩関節の可動域も初回より改善していたため、症状を確認しながら泳ぐ距離を増やしていく方針としました。
5回目
約8週間後には、普段の練習距離に近い量を泳いでも、右肩の前側に強い痛みが出なくなっていました。
クロール中の腕の動きも以前よりスムーズになり、練習後の違和感も少なくなっていました。
今後も肩周囲の筋力トレーニングと練習量の調整を継続することをお伝えし、5回目で定期的な施術を終了しました。
治療回数/期間
治療回数:5回
治療期間:約8週間
通院頻度:初期は週1回、その後は2〜3週間に1回
結果と予防
約8週間・5回の施術期間を通して、水泳のクロール中に生じていた右肩の前側の痛みが軽減しました。
以前は泳ぐ距離が長くなると肩の痛みが強くなっていましたが、練習量の調整と肩周囲の運動療法を継続することで、段階的にクロールの練習を再開できるようになりました。
再発予防として、
・練習前に肩関節や肩甲骨周囲のウォーミングアップを行う。
・腱板や肩甲骨周囲の筋力トレーニングを継続する。
・泳ぐ距離や練習強度を急に増やさない。
・痛みがある状態で無理に長距離を泳がない。
・疲労によってフォームが崩れる場合は休憩を取る。
・練習後だけでなく、翌日の痛みや張りも確認する。
ことをお伝えしました。
そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
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