ゴールキーパーの仙腸関節炎
ご相談いただいた症状
サッカーの練習中、ゴールキーパーとしてシュートをセービング(横跳び)して着地する瞬間に、右の腰のやや下(骨盤のあたり)にズキッと鋭い痛みが走る
ゴールキックやパントキックを蹴る際、右足で強くボールを叩く瞬間や、左足で強く踏み込む瞬間に骨盤の奥がズキズキと痛む
歩く、走る、階段を昇るといった日常の動作でも、一歩踏み出すたびにお尻の割れ目のすぐ横あたりにピキッと響くような違和感がある
整形外科で「仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)」と診断され、湿布や痛み止めで様子を見ていたが、キーパー特有の激しい動きをするとすぐに痛みがぶり返してしまう
原因
仙腸関節炎は、骨盤の骨(仙骨と寛骨)を繋ぐわずかな隙間(仙腸関節)に微細なズレや急激な負荷がかかり、周囲の靭帯に炎症が起きるスポーツ障害です。特にゴールキーパーの場合、着地時の片側への強い衝撃や、キック時の骨盤の急激なひねりが関節に過度な剪断力(ズレる力)を加え続けたことが根本的な原因です。
今回の患者さんは
セービングでの着地による、右側の骨盤(寛骨)の骨性アライメント(並び)の微細な前方変位(前方へのズレ)
骨盤を支えるお尻のインナーマッスル(梨状筋や大臀筋の深層)や、太ももの付け根の筋肉の異常な硬化
体幹(腹圧)の機能低下により、着地衝撃を体幹で吸収できず、ダイレクトに仙腸関節へ衝撃が伝わっている状態
がみられ、ただ安静にするだけでは「関節の噛み合わせのズレ」や「周囲の筋肉の突っ張り」が残ったままであったため、競技復帰後にキーパー特有の負荷がかかった際、再び激しい炎症をぶり返している状態と考えられました。
治療内容
初期(1〜2週間目/関節のズレの微調整と炎症の緩和)
仙腸関節の靭帯の炎症をこれ以上悪化させないため、この期間はセービングなどの激しい着地動作を制限。
衝撃やつっぱりの原因となっているお尻の深層筋肉(大臀筋・梨状筋)や、骨盤前面の筋肉(腸腰筋)の筋膜リリース
仙腸関節の噛み合わせを正しい位置に戻すための、優しくソフトな骨盤矯正(バキバキしない調整)
を中心に施術。開始2週間で、歩行時や階段の昇り降りなど、日常生活での右骨盤への響くような痛みはほぼ消失しました。
中期(3〜4週間目/骨盤の安定性強化と軽い動的負荷)
ジョギングや軽いステップワークでの痛みが外れたことを確認し、リハビリ強度をアップ。
キック動作で骨盤が過剰にねじれないよう、股関節の可動域を広げる調整
着地時の衝撃を分散させるため、骨盤を左右から挟んで固定するインナーマッスル(多裂筋や腹横筋など)の連動トレーニングの導入
後期(5週間目〜/部分合流から完全復帰へ)
実際のピッチで、軽いセービングやロングキックの負荷を段階的にかけながら最終調整。
全力で踏み込んだり着地したりしても関節がズレないよう、腹圧を高める体幹リハビリの徹底
練習強度が上がっても骨盤まわりをロックさせないための、臀部・股関節のセルフマッサージ指導
5週間が経過した時点で、全力でのセービング、ハイボールのキャッチ後の着地、ロングキックを行っても、右骨盤の奥への痛みは全く出なくなりました。
治療回数/期間
治療・リハビリ回数: 6回
期間: 約1か月半(週1回ペースの計画的な通院)
そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
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