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走り幅跳びで背中を痛め大会5日前に来院した陸上選手

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走り幅跳びで背中を痛め大会5日前に来院した陸上選手

ご相談いただいた症状

・陸上部で走り幅跳びを専門にしている。
・大会5日前の練習で跳躍した際、右の肩甲骨の下あたりに痛みが出た。
・痛めた直後は身体を前に倒す前屈動作が特につらかった。
・身体を捻る動作でも右背中に痛みが出ていた。
・その週の日曜日に大会を控えており、できるだけ出場できる状態まで回復させたいとのことで、痛めた当日に来院された。

原因

走り幅跳びでなぜ背中を痛めたのか?
走り幅跳びというと、脚への負担が大きいスポーツというイメージがあります。
しかし実際には、助走から踏み切り、空中動作、着地まで全身を大きく使います。
特に跳躍時には、下半身で生み出した力を体幹から上半身へ伝える必要があり、身体を反らす・捻るといった動きも加わります。
そのため、股関節や胸郭などの動きが十分でないと、その動きを補うために背中へ負担が集中することがあります。

今回の患者さんは、右肩甲骨の下付近に痛みがあり、
・前屈すると右背中に痛みが出る
・身体を捻ると痛みが出る
・股関節の柔軟性が低下していた
・広背筋に強い緊張がみられた
という状態でした。

特に重要だったのが、**「背中が痛い=背中そのものがすべての動作制限の原因ではなかった」**という点です。
前屈動作
前屈を確認すると、背中の痛みだけでなく股関節の硬さによって身体を前へ倒しにくくなっていました。
股関節が十分に動かない状態では、その動きを腰や背中で補わなければならず、痛めた右背部へさらに負担がかかります。
そこで股関節周囲の筋緊張を緩めてから再度前屈を確認すると、背中へ強い刺激を加えなくても前屈できる範囲が大きく改善しました。

身体を捻る動作
身体を捻る際には、広背筋の緊張が強くみられました。
広背筋は背中から骨盤、腕にかけて広くつながっている筋肉で、肩や体幹の動きにも関係します。
広背筋の緊張を緩めたところ、身体を捻る動作も改善しました。
そのため今回は患部だけを強く施術するのではなく、股関節・広背筋など、痛めた背中へ負担をかけている周囲の状態を整えることを重視しました。

治療内容

初回(受傷当日)
練習中に痛め、その日のうちに来院された急性期の症例でした。
受傷直後だったため、痛みがある右肩甲骨下部を強く揉んだり、無理にストレッチしたりすることは避けました。
患部には超音波治療を行い、周囲の筋肉を中心に手技療法を実施しました。
前屈動作を確認したところ股関節の硬さが強かったため、股関節周囲を緩めて再度動きを確認。
すると、来院時につらかった前屈動作は大きく改善しました。
さらに身体を捻った際の痛みに対しては、緊張の強かった広背筋を中心に施術しました。
施術後に再度身体を捻ってもらうと、こちらも動かせる範囲が広がりました。
大会まで5日しかなかったため、初日は**「患部を強く刺激して一気に治そうとしないこと」**を特に重視しました。

2回目(大会4日前)
翌日も状態を確認しました。
大会直前ということもあり、この時期は練習量がそれほど多くなかったため、無理に競技動作を繰り返さず回復を優先してもらいました。
患部の状態を確認しながら超音波治療を継続し、股関節や広背筋など背中への負担につながる周囲の筋肉を調整しました。
初回と比較して前屈は行いやすくなっており、体幹を捻った際の痛みも軽減していました。

3回目(大会3日前)
日常生活での動作はかなり楽になっていました。
この段階でも大会が近いからといって強い刺激を入れることはせず、回復を妨げない刺激量で施術を継続しました。
股関節・広背筋・肩甲骨周囲の状態を確認しながら、大会当日に跳躍動作を行うことを想定して身体全体を調整しました。

4回目(大会2日前)
前屈や体幹を捻る動作での痛みはさらに軽減しました。
大会直前だったため、新しい刺激や強い施術を加えるのではなく、それまで改善してきた状態を維持することを優先しました。
超音波治療と周囲への手技療法を行い、施術後には前屈・回旋動作を再確認しました。

大会前日
大会前日の最終調整では、痛みだけでなく、
・前屈動作
・体幹の回旋
・股関節の動き
・肩甲骨周囲の緊張
を確認しました。

大会直前に身体へ強い負担を残さないよう刺激量を抑え、コンディショニングを目的とした施術を行いました。
大会当日は予定通り競技に臨むことができました。

治療回数/期間

治療回数:5回
治療期間:5日間(受傷当日〜大会前日)
今回は通常の治療頻度とは異なり、大会まで5日しかないという競技スケジュールを考慮して、受傷当日から大会前日まで毎日状態を確認しながら施術を行いました。
また、大会直前は練習量が多くなかったため、競技練習よりも回復を優先できたことも大会出場につながった要因の一つと考えています。

結果と予防
受傷当日は、前屈や身体を捻る動作で右肩甲骨下部に痛みが出ていました。
今回は大会まで時間がなかったからこそ、患部を強く刺激するのではなく、超音波治療を行いながら、動作を制限していた股関節や広背筋など周囲からアプローチしました。

その結果、
・前屈時の背中の痛み
・身体を捻った際の痛み
・股関節の柔軟性
・広背筋の緊張
が徐々に改善し、大会当日は予定通り走り幅跳びの競技に臨むことができました。

今回の症例で特に重要だったのは、痛みが出ている場所だけを見なかったことです。
前屈できない原因を確認すると股関節の硬さが関係しており、身体を捻りにくい原因には広背筋の緊張が関係していました。
競技復帰を目指すスポーツ障害では、「どこが痛いか」だけではなく「どの動作で痛いのか」「その動作を妨げている場所はどこなのか」まで評価することが大切です。

再発予防として、
・練習前後に股関節のストレッチを行うこと
・広背筋や肩甲骨周囲の柔軟性を維持すること
・走り幅跳びの踏み切りや空中動作で背中だけに負担を集中させないこと
・練習量が増えた際は疲労を残したまま高強度の跳躍を繰り返さないこと
・大会後も痛みが残る場合は無理に練習を再開しないこと
をお伝えしました。

そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
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