野球のバッティングで腰をひねると痛い
ご相談いただいた症状
・高校1年生の男子野球部員。
・高校入学後、練習量や自主練習での素振りの本数が増えていた。
・2週間ほど前からバッティングをした時に右腰へ痛みを感じるようになった。
・最初は練習後に軽く張る程度だったため、そのまま練習を続けていた。
・徐々にバットを振って身体を回した瞬間にも痛みが出るようになった。
・特に強く振ろうとした時に右腰が痛い。
・普通に歩く、座るなどの日常生活ではほとんど痛みはない。
・軽いキャッチボールでも症状は出ない。
・守備練習はできている。
・足へのしびれはない。
・バッティング練習を続けたいとのことで来院された。
原因
バッティング時の腰痛について
野球のバッティングでは、下半身から身体を回転させ、その力を上半身やバットへ伝えていきます。
そのため、腰だけでなく、
・足部
・股関節
・骨盤周囲
・胸郭
・肩関節
など身体全体の動きが関係します。
今回の選手は日常生活ではほとんど痛みがなく、バッティングで身体を強く回転させた時に右腰へ痛みが出ることが特徴でした。
身体の状態を確認すると、
・右腰部の筋緊張
・臀部の張り
・股関節内旋の左右差
・胸郭回旋の硬さ
・バッティング動作での右腰への負担
がみられました。
特に身体を回す動きを確認すると、股関節と胸郭の動きが小さく、腰部で回旋動作を補うような動きがみられました。
今回は痛みが出ている腰だけではなく、股関節や胸郭の動きも確認しながら施術を行いました。
また、成長期の野球選手に繰り返し腰痛が出る場合には腰椎分離症なども考慮する必要があります。
そのため、腰を反らした時の痛みや片脚で身体を反らす動作、痛みの持続状況なども確認し、症状が続く場合や悪化する場合には整形外科で画像検査を受けるよう説明したうえで経過をみました。
治療内容
1回目
初回来院時は歩行や座位では痛みはありませんでした。
身体を軽くひねる程度では問題ありませんでしたが、バッティングを想定して速く身体を回すと右腰に痛みが出ました。
腰部には筋緊張がみられましたが、今回は腰だけに施術を集中させず、
・臀部
・股関節周囲
・背中
・胸郭周囲
・腰部
へ手技療法を行いました。
施術後は身体を回した時の痛みが軽減しました。
ただし、痛みが減ったことだけでその日のうちに全力スイングへ戻すことはせず、数日間は強いバッティング練習を控えてもらいました。
守備練習や痛みの出ない範囲でのキャッチボールについては継続してもらいました。
2回目
初回から4日後に来院。
日常生活では引き続き痛みはなく、守備練習やキャッチボールも問題なく行えていました。
バッティングについては全力では振らず、軽い素振りから再開していました。
50%程度の力でスイングしても痛みはありませんでしたが、スイングスピードを上げると右腰に軽い違和感が残っていました。
股関節と胸郭の動きを再確認しながら手技療法を行いました。
施術後は軽いスイングで問題がなかったため、練習ではティーバッティングから段階的に強度を上げることにしました。
3回目
2回目から約1週間後に来院。
ティーバッティングでは痛みがなく、通常のバッティング練習にも少しずつ参加できるようになっていました。
70〜80%程度のスイングでは問題ありませんでした。
ただし、強く引っ張ろうとして全力に近いスイングをした時に、右腰へ軽い違和感が出ることがありました。
初回と比べて股関節や胸郭の動きも改善していましたが、疲れてくると腰を中心に身体を回す動きが出やすい状態でした。
施術とあわせて、練習ではスイング本数を一気に元へ戻さず、痛みが出ない範囲から徐々に増やしてもらいました。
4回目
3回目から約10日後に来院。
通常のバッティング練習へ戻り、全力に近いスイングでも右腰の痛みは出ていませんでした。
ティーバッティング、フリーバッティング、守備練習ともに問題なく行えていました。
練習後に腰が張ることはあるものの、今回来院するきっかけとなったバッティング時の痛みはありませんでした。
実際に身体を回す動作を確認しても痛みはなく、練習量を戻した状態でも症状が安定していたため、4回目で今回の腰痛に対する定期的な施術を終了しました。
治療回数/期間
治療回数:4回
治療期間:約3週間
通院頻度:初回→4日後→約1週間後→約10日後
今回の競技復帰は、
バッティングで右腰に痛み
↓
強いスイングを一時的に制限
↓
守備・キャッチボールは痛みのない範囲で継続
↓
軽い素振り(50%程度)
↓
ティーバッティング
↓
70〜80%程度のスイング
↓
通常のバッティング練習
↓
全力に近いスイングでも痛みなし
↓
通常練習へ復帰
という流れで進めました。
結果と予防
今回の選手は、日常生活で腰が痛むのではなく、バッティングで身体を強く回した時だけ右腰に痛みが出ることが特徴でした。
高校へ進学して練習量や素振りの本数が増えていたことに加え、身体を確認すると股関節や胸郭の動きにも左右差がみられました。
約3週間・4回の施術と練習量の調整によって、
・日常生活で痛みなし
・守備練習で痛みなし
・キャッチボールで痛みなし
・ティーバッティングで痛みなし
・全力に近いスイングでも痛みなし
・通常のバッティング練習へ復帰
という経過となりました。
今回は完全に部活動を休止するのではなく、痛みが出るバッティングの強度だけを一時的に落とし、できる練習は継続しながら段階的に復帰しました。
再発予防として、
・いきなり素振りの本数を増やさない
・股関節や胸郭も使って身体を回す
・練習前に股関節や背中を動かす
・疲れてフォームが崩れた状態で全力スイングを繰り返さない
・腰の張りや痛みが続く場合は無理に練習を継続しない
ことをお伝えしました。
学生野球では「腰が痛い=腰の筋肉が硬い」とは限りません。
当院では、どのプレーで痛むのか、どの強度から症状が出るのか、股関節や胸郭がどのように動いているのかまで確認しながら、競技復帰を考えて施術を行っています。
そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
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