バドミントンでアキレス腱が痛い症例
ご相談いただいた症状
・バドミントンで大きく踏み込むと右アキレス腱が痛む。
・練習開始直後にアキレス腱周囲の違和感が強くなる。
・練習を続けると痛みが一時的に軽くなることがある。
・練習後や翌朝の歩き始めに痛みを感じる。
・階段を上る際やつま先立ちで違和感がある。
・以前と同じようにバドミントンを楽しみたい。
週2〜3回、趣味でバドミントンを行っている30代男性の患者様です。
約2か月前から、シャトルを拾うために大きく踏み込んだ際、右アキレス腱周囲に痛みを感じるようになりました。
最初は練習開始直後だけの軽い違和感でしたが、徐々に練習後にも痛みが残るようになり、翌朝の歩き始めにも症状が出るようになっていました。
特に前方へ大きく踏み込む動作や、素早く元の位置へ戻る動作で痛みが強くなるため、思い切り動くことが難しくなっていました。
症状が長引いていることから整形外科で評価を受け、アキレス腱の完全断裂などの急性損傷が認められないことを確認したうえで、運動負荷の調整とリハビリテーションを目的に来院されました。
原因
バドミントンでは、前後左右への素早い移動や急な方向転換、ジャンプなどを繰り返します。
特に前方へ大きく踏み込んだ後、元の位置へ戻る際には、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱に大きな負担がかかります。
こうした動作が繰り返されることで、アキレス腱にかかる負荷が回復能力を上回り、痛みが生じることがあります。
今回の患者様は、身体の状態を確認すると、
・右アキレス腱の中央付近に圧痛がみられる。
・右ふくらはぎの筋肉に張りがある。
・片脚でかかとを上げるとアキレス腱周囲に痛みが出る。
・右足首の背屈可動域が左側より小さい。
・前方へ踏み込む際に右足首の動きが小さくなる。
・練習量が増えた時期から症状が強くなっている。
といった特徴がありました。
これらの所見から、バドミントンの踏み込み動作による繰り返しの負荷が関係する、アキレス腱障害が疑われる状態と考えました。
なお、アキレス腱の痛みには腱付着部の障害や滑液包炎、部分断裂などが関係する場合もあるため、痛みの場所や症状の変化を確認しながら対応しました。
治療内容
今回は右アキレス腱周囲の痛みを軽減し、段階的にバドミントンの練習へ復帰できるようにすることを目的に施術を行いました。
手技療法では、アキレス腱の痛みがある部分に強い刺激を加えず、ふくらはぎや足関節周囲の筋肉に対して、状態に合わせてアプローチしました。
また、アキレス腱への負荷に耐えられるよう、痛みの程度を確認しながら、かかと上げを中心とした段階的な筋力トレーニングを取り入れました。
日常生活では、練習量を一時的に減らし、踏み込みやジャンプなど痛みが強くなる動作を調整するようお伝えしました。
1回目
初回は右アキレス腱の中央付近に圧痛があり、片脚でのかかと上げでも痛みが出る状態でした。
ふくらはぎ周囲の筋肉に対して手技療法を行い、足関節の可動域を確認しました。
この段階ではバドミントンの強い踏み込みやジャンプを控え、痛みが強くならない範囲で両脚のかかと上げ運動を開始しました。
2回目
約1週間後には、朝の歩き始めに感じていた痛みが少し軽減していました。
ただし、階段を上る際や片脚でかかとを上げる動作では、アキレス腱周囲に違和感が残っていました。
両脚でのかかと上げ運動を継続し、痛みや翌朝の反応を確認しながら負荷を調整しました。
3回目
約3週間後には、日常生活での痛みが以前より少なくなっていました。
朝の歩き始めの痛みも軽減し、両脚でのかかと上げを安定して行えるようになっていました。
この段階では片脚でのかかと上げ運動を少ない回数から取り入れ、アキレス腱への負荷を段階的に増やしました。
4回目
約5週間後には、片脚でのかかと上げ運動を行っても強い痛みが出なくなっていました。
軽いジョギングでも症状が悪化しなかったため、バドミントンのフットワークを想定した前後へのステップ練習を開始しました。
ただし、大きく踏み込む動作では軽い違和感が残っていたため、練習強度を抑えて継続しました。
5回目
約8週間後には、軽いフットワークや短時間のバドミントン練習を行っても、アキレス腱の痛みが強くならなくなっていました。
練習翌朝の痛みも以前より少なく、足首の動きも改善していました。
この段階では片脚でのかかと上げに加え、軽いジャンプや方向転換の練習を取り入れ、競技動作への復帰を進めました。
6回目
約10週間後には、バドミントンの通常練習に近い動きを行っても、右アキレス腱に強い痛みが出なくなっていました。
前方への踏み込みや素早い方向転換も以前より行いやすくなり、練習後や翌朝の痛みも少なくなっていました。
今後もふくらはぎの筋力トレーニングと練習量の管理を継続することをお伝えし、6回目で定期的な施術を終了しました。
治療回数/期間
治療回数:6回
治療期間:約10週間
通院頻度:初期は週1回、その後は2〜3週間に1回程度
結果と予防
約10週間・6回の施術期間を通して、バドミントンの踏み込みで生じていた右アキレス腱周囲の痛みが軽減しました。
初回は朝の歩き始めや階段でも痛みがありましたが、練習量の調整と段階的な筋力トレーニングを継続することで、日常生活での症状が少なくなりました。
その後はフットワークやジャンプ動作を段階的に再開し、バドミントンの通常練習に近い動きまで戻ることができました。
再発予防として、
・練習前に足関節やふくらはぎのウォーミングアップを行う。
・かかと上げなどの筋力トレーニングを継続する。
・練習時間や強度を急に増やさない。
・痛みがある状態で無理に踏み込みやジャンプを繰り返さない。
・練習後だけでなく翌朝の痛みも確認する。
・痛みが再発した場合は練習量を調整する。
ことをお伝えしました。
バドミントンでアキレス腱が痛い場合、踏み込みやジャンプ、方向転換などの繰り返しの負荷が関係していることがあります。
アキレス腱の障害では、痛みが軽減しても腱の負荷に対する耐久性が十分に回復していない場合があるため、段階的な運動療法と練習量の調整が重要です。
そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
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