CASE

野球の投球で肘の内側が痛くなった症例

当院のコンセプト
ホーム > 施術例 > スポーツケア > 野球の投球で肘の内側が痛くなった症例
野球の投球で肘の内側が痛くなった症例

ご相談いただいた症状

・野球部に所属している中学生男子。
・ポジションはピッチャー。
・2週間ほど前から、投球後に右肘の内側へ痛みを感じるようになった。
・最初は練習後に少し痛む程度だった。
・そのまま練習を続けていると、徐々に投球中にも痛みが出るようになった。
・特に強く投げた時に右肘内側の痛みが強い。
・投球数が増えるほど症状が出やすい。
・日常生活ではほとんど痛みはない。
・バットを振る動作では強い痛みはない。
・安静時や夜間の痛みはない。
・大会も控えており、投球を続けてもよいのか心配になり来院された。

原因

成長期の野球選手に起こる「野球肘」とは?
野球肘とは、投球動作を繰り返すことで肘に負担が加わり、痛みなどの症状が現れている状態の総称です。
特に成長期の選手では、大人とは異なり骨や軟骨が成長途中であるため、投球による負担が成長部分に加わることがあります。
投球動作では肘の内側・外側・後方などさまざまな場所に負担がかかります。
なかでも肘の内側には、投球時に繰り返し引っ張られるような力が加わります。

今回の患者さんは、
・中学生で成長期である
・ピッチャーで投球機会が多い
・最初は投球後だけ痛かった
・徐々に投球中にも痛むようになった
・強く投げるほど痛みが強い
・右肘内側に痛みが集中している
という特徴がありました。

身体の状態を確認すると、
・右肘内側の圧痛
・前腕周囲の筋緊張
・左右の肘の動きの差
・右肩周囲の硬さ
・肩甲骨周囲の動きの左右差
がみられました。

ただし、成長期の選手にみられる投球時の肘痛では、筋肉の張りだけではなく、骨や成長軟骨などに問題が起きていないか確認することが重要です。
そのため今回は、そのまま施術と投球継続を進めるのではなく、まず整形外科で肘の状態を確認してもらうようお伝えしました。

医療機関での確認
整形外科を受診し、画像検査を受けてもらいました。
今回は大きな骨の異常は指摘されませんでしたが、成長期の肘に負担がかかっている状態であることから、一定期間は投球を休止するよう指示を受けました。
そのため当院でも医療機関での指示を踏まえ、投球を休止しながら肘だけでなく肩や肩甲骨、前腕などの状態を確認していくことにしました。

治療内容

1回目
初回来院時は、投球動作をすると右肘内側に痛みがありました。
成長期であり、肘内側に圧痛もみられたため、この日は無理に投球動作を繰り返して確認することはしませんでした。
前腕・肩・肩甲骨周囲の状態を確認し、整形外科への受診を優先しました。
検査結果が確認できるまでは投球を中止するようお伝えしました。

2回目
整形外科受診後に来院。
画像検査では大きな骨の異常は指摘されませんでしたが、投球については休止するよう指示を受けていました。
日常生活では肘の痛みはありませんでした。

この日は、
・前腕周囲
・上腕周囲
・肩関節周囲
・肩甲骨周囲
を中心に手技療法を行いました。
投球は引き続き行わず、下半身のトレーニングや痛みの出ない範囲でのコンディショニングを行ってもらいました。

3回目
約1週間後に来院。
投球を休止していたことで、右肘内側の圧痛は初回より軽減していました。
日常生活では完全に痛みがなく、肘の曲げ伸ばしでも症状はありませんでした。
ただし、痛みがなくなったからすぐに投球を再開するのではなく、医療機関から指示された休止期間を守りながら経過を見ることにしました。
肩関節や肩甲骨周囲の動きを確認し、手技療法を継続しました。

4回目
投球休止期間を経て来院。
肘内側の圧痛はほとんどなく、日常生活でも症状はありませんでした。
医療機関で投球再開について確認したうえで、軽いキャッチボールから競技復帰を開始しました。
最初は近い距離から、強く投げずにフォームを確認する程度としました。
投球中・投球後・翌日に痛みが出ないかを確認しながら進めるようお伝えしました。

5回目
軽いキャッチボールを再開してから来院。
近距離のキャッチボールでは、右肘内側の痛みはありませんでした。
投球翌日にも症状は出ていませんでした。

そのため、
・近距離キャッチボール
・距離を少し伸ばしたキャッチボール
・5〜6割程度の強さでの投球
へと段階的に負荷を上げました。
この段階ではまだ全力投球やピッチング練習は行いませんでした。

6回目
投球強度を上げてから来院。
7〜8割程度の投球まで行えていましたが、右肘内側の痛みはありませんでした。
投球後や翌日にも症状は出ていませんでした。
肩や肩甲骨周囲の動きも初回より改善していたため、投球数を急激に増やさないことを条件に、ピッチング練習を少しずつ再開しました。

7回目
ピッチング練習再開後に来院。
ブルペンでの投球でも肘内側に痛みはなく、翌日にも症状は残っていませんでした。
この段階から投球強度だけではなく、投球数についても徐々に増やしていきました。
ただし、痛みがないからといって一度に以前と同じ投球量へ戻さないよう注意してもらいました。

8回目
通常の野球部の練習へ復帰した後に来院。
キャッチボール、ピッチング練習ともに右肘内側の痛みはありませんでした。
強い投球を行った後や翌日にも症状は出ておらず、肘内側の圧痛もみられませんでした。
通常練習に復帰しても症状が再発していなかったため、8回目で定期的な施術を終了しました。

治療回数/期間

治療回数:8回
治療期間:約2か月
経過:整形外科での確認と投球休止期間を設けた後、段階的に投球を再開

今回の経過は、
投球後に右肘内側が痛む
↓
練習を続け、投球中にも痛みが出るようになる
↓
成長期のため整形外科への受診を優先
↓
画像検査後、一定期間投球を休止
↓
日常生活・肘の曲げ伸ばしで痛みなし
↓
近距離の軽いキャッチボールから再開
↓
5〜6割→7〜8割と投球強度を上げる
↓
ピッチング練習を再開
↓
投球数も段階的に増加
↓
通常の部活動へ復帰
↓
投球後・翌日にも痛みなし
↓
定期的な施術を終了
となりました。

結果と予防
今回の患者さんは、最初は投球後だけだった右肘内側の痛みが、徐々に投球中にも出るようになっていました。
中学生という成長期であったため、すぐに施術だけで対応するのではなく、まず整形外科で骨や成長部分などの状態を確認してもらうことを優先しました。
その後は医療機関からの指示に沿って投球を休止し、肘の状態が落ち着いてから、

近距離キャッチボール
→距離を伸ばす
→5〜6割の投球
→7〜8割の投球
→ピッチング練習
→投球数を増やす
→通常練習
という順番で復帰しました。

最終的には、
・日常生活での肘痛がない
・キャッチボールで痛みがない
・強い投球でも痛みがない
・ピッチング後にも痛みが残らない
・翌日にも症状が出ない
・通常の部活動へ復帰
という状態まで確認できました。

再発予防として、
・投球数を急激に増やさない
・肘に違和感がある状態で投げ続けない
・肩や肩甲骨周囲の動きも整える
・練習後だけでなく翌日の肘の状態も確認する
・痛みが再び出た場合は早めに投球量を調整する
ことをお伝えしました。

そのほかのお悩みへの改善例も多数ございます。
「こんな症状でも診てもらえますか?」と
お気軽にお問合せください。